ラブコメ 百人一首



契りきな かたみに袖をしぼりつつ
末の松山 波こさじとは
清原元輔

訳

約束したよね。
お互いに涙で濡れた袖を何度もしぼりながら、あの末の松山を浪の越すことがないように、ふたりの間も決して末永く心変わりはするまいって。

解説

百人一首に限らず、平安恋歌の傾向として、男の歌は恋愛初期のGOGOアプローチソング(「こんなに君が好き」的内容)が多い。

一方、女の歌は恋愛終焉期の未練ソング(「アンタ、あんなに熱心だったくせに、何よ最近のその態度」的内容)、もしくは恋愛初期の懐疑的ソング(「今は熱心だけど、どうせ今だけなんでしょ」的内容。)が多いんですよね。

この時代は「通い婚システム」
男が女に恋をして、で猛アタック

女がOKする

男が女の家へ通って交際スタート

男が来なくなったら恋愛終了〜

女から未練タラタラ、恨み呪いのお手紙

このシステム上、仕方がないっちゃないんだけど、恋愛のメッセージ発信の仕方は通い婚じゃない1000年後の今だって同じ

最初だけ熱心で、釣った魚に餌はやらない男って割と多いと思わない?
オマエは平安貴族かよっ

反面、いざフラれた時に、女子は一旦はかなぁ〜り凹んでも、やがて立ち直って次の恋愛にGO

かたや、いつまで〜もジメジメ〜っと引き摺るオトコが多いのも事実だったり…

今回の歌は、そんな「フラれてジメジメ男」から依頼されて、清少納言パパが詠んだ未練ソング

末の松山っていうのは、海辺にあるけど絶対波が越さないことから「絶対心変わりしない」という例えに用いられることが多いんです。

言わば「心変わりなんて、地球が反転するよりありえな〜い」って感じ? 

ただねぇ。最初は誰でもそう思うんだけど、心変わりは恋愛の常 

残念ながら、恋心に「絶対」はないし約束なんて無意味なんです、ハイ 

だからこそ、気を抜いたり手を抜いたりしちゃダメってことなのよね

ワンポイント文法

・「契り」は四段活用動詞「契る」の連用形。

・「き」は過去の助動詞」の終止形。

・「な」は詠嘆の終助詞。「つつ」は反復・継続の接続助詞。

・「じ」は打消しの推量・意志を表す助動詞。

・「と」は約束した内容を受ける格助詞。

・「は」は強意の係助詞。

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